自衛隊で配備されるP220(9mm拳銃)とP226Rの性能とは?



9mm拳銃は1982年に11.4mm拳銃から更新され制式配備が行われた陸海空3部隊共通のサービス・ピストルだ。オリジナルはシグ・ザウエルP220で、日本国内でライセンス生産されている。口径9mm普通弾を使用し、装弾数は9発のセミオート。複列マガジンではなく単列マガジンであり、現代オートに比べ装弾数はやや少ない。

製造は長野県に本社を持つミネベアミツミ株式会社で、長らく東京都大田区内の「ミネベア大森工場」にて製造されていたが、2012年からは松井田工場(群馬県安中市松井田町)に警察と自衛隊向けの公用火器専用ファクトリーを新設し、同所が製造を担っている。

それまで自衛隊では長らく米軍から供与されたM1911拳銃をサービスピストルとして配備していたが、1982年にその後継としてP220のライセンス生産を決定、配備。

以来、現在まで砲手、幹部、航空機操縦士および搭乗員、警務官などに貸与されている。陸上自衛隊では近年、前述の職種や幹部以外への配備が増え、閉所戦闘訓練などで普通科の曹士隊員が室内突入時などに使用することもポピュラーだ。また海上自衛隊では立入検査隊、航空自衛隊では基地警備隊や基地警備教導隊に配備されている。

一方で、陸上自衛隊の特殊作戦群では複列弾倉でハイキャパシティを誇るUSPタクティカル、海上自衛隊の特別警備隊では、同じく多弾数のP226Rを独自に配備しており、より実戦的な運用が取られている。

SPEAR HEAD (スピアヘッド) No.16 2013年 05月号 [雑誌]

SPEAR HEAD (スピアヘッド) No.16 2013年 05月号 [雑誌] B00CC0MNRO | アルゴノート | 2013-04-25

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オリジナル版P220と比較すると、スライドに製造会社と自衛隊の刻印が配されるほか、銃の木製ストック製造メーカーであった当時の田中木工(現在はエアガンメーカーのタナカワークスとして有名)が日本人向けにデザインしたグリップなど特徴がある。


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P220にはマニュアルセイフティ(手動式安全装置)がオミットされた代わりにデコッキングレバーと呼ばれる安全にハンマーダウンさせるための機能を備える。

手動式の安全装置をあえて搭載せず、デコッキングレバーによるハンマーダウンをセイフティの代わりとする方法が構造上、安全かどうかはともかく、米国のNYPD(ニューヨーク市警)では同じくマニュアルセイフティの備わっていない(トリガーセフティは有す)グロック19拳銃を制式に配備しており、わざとトリガープル(引き金の重さ)を強くして暴発事故を防止している。

近年では日本もグロック17を警視庁SPに、グロック19をSAT用として配備するが、マニュアルセフティを備えない銃を嫌悪しているアメリカの保守的な層は昔ながらのM1911系やS&WのM39系を今なお選択している。

警視庁SPとは警護対象者を己の命に代えて護り抜けと至上命令を下された警備部警護課の動く壁たちだ!

ホルスター

ホルスターは拳銃を収納するためのもので、自衛隊で長らく官給品として広く支給されているタイプは腰に装着するヒップホルスタータイプのフタつき皮製ホルスターだ。

一般隊員用は茶色、警務隊員用には黒色タイプが配備されている。この皮製ホルスターは軍用としては時代遅れとなり、陸上自衛隊でもイラク派遣からは米軍同様、太ももに装着する強靭な合成繊維製のレッグホルスターを配備した。

SIG SAUER P226R・・汎用20mmレイルを装備した拳銃

海上自衛隊特殊部隊が公開訓練で自ら公表したことで広く認知されたP226はアンダーマウントレイルにフラッシュライトやレーザーサイトを装着できるため、薄暗い閉所での作戦を意識したモデルだ。

P226RはP226として1983年に発売されたショートリコイル方式のセミ・オートピストルだ。警察や軍隊向けに製造された前作、一般的な拳銃に備わっている手動安全装置(マニュアルセイフティ)が廃止され、それに代わるものとしてコックしたハンマーを安全に倒すデコッキングレバーを搭載し、特徴的な操作方法を持つP220の信頼性を踏襲しつつ、ダブルカラムの多弾数に改良している。

高性能、高品質のために高価格がネックだが、軍隊ではイギリス軍特殊部隊SASやアメリカ海軍特殊部隊「ネイビーシールズ」など、また全米各地の警察にも採用されているベストセラー製品だ。日本国内では海上自衛隊のほか、警視庁SAT、海上保安庁特殊部隊で配備されている。

P226は近年、細部が改良され、フレーム下部にレイルを配し、さらにグリップの形状を一体化し、より使いやすい人間工学的デザインに仕立てられたモデルを「E2」としてリリースされ、P226の現行モデルとなっている。

なお、海上自衛隊特殊部隊では普段、実銃のP226Rのほか、和歌山県のPDIというエアガン改造部品メーカーが開発した訓練用のP226(ペイントボール発射タイプ)を用いて密かに訓練を行っている。


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