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航空自衛隊に編成されている航空救難団は、UH-60JヘリとU-125Aジェット機を用いて捜索救難活動を行う、空自随一の救助専門部隊です。

民生支援での活躍は言うまでもありませんが、本来、航空自衛隊の航空救難は戦闘時に墜落した友軍機に対する乗員救助と捜索がもっぱらの任務です。

これまで航空救難団では機体に武装を搭載してきませんでしたが、近年ではヘリにミニミ機関銃を搭載するなどのアップグレードが行われています。

これらの機体に乗り込む救難員(メディック)もまた超人的な能力を持つことで知られており、3自衛隊から畏怖される存在です。

ひとたび、「救難発生」の報が流れると、救難団はすぐさま出動準備に取り掛かります。また、高い技術力と24時間の即応体制で捜索、患者の空中輸送、災害派遣要請に基づく救急患者搬送など様々な任務を担っています。


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航空救難団に配備される航空機

現在、3機種のヘリ及び固定翼ジェット機を運用中です。

保有装備1 U-125A

陸自と空自で配備されていたMU-2は老巧化したため、空自では後継機としてU-125Aを導入。

捜索救難機U-125A

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ジェット機であり、両サイドに設けられた大型捜索窓、捜索レーダー、赤外線暗視装置などハイテク装備が満載で、以前配備されていたMU-2より捜索能力の大幅な向上が図られています。

救援物資を空中投下するデモンストレーションを実施する航空救難団のU-125A

UH-60Jとペアで行動する捜索用小型ジェット機。強力なレーダーを搭載し、照明弾、食料、救命用品各種を海上に投下できる投下用ベイも装備。

sdf-0200こちらは陸自のLR-1。コワモテのカラス顔は、機関銃も搭載可能で対地攻撃機としても使用可能であった陸自唯一の固定翼機偵察機。航空自衛隊でも白と黄色の救難カラーで配備されていたが、すでに自衛隊からは全機が退役。

援助物資投下ベイを搭載しており、各種の様々な物資を投下できます。
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約820km/hの最大速度を活かし、遭難現場へ真っ先に到着すると、必要に応じて救命糧食などの救援物資を空中投下することで、UH-60Jヘリコプター到着まで被災者・要救助者の生存率を大幅にアップさせます。

保有装備2 UH-60J&CH-47ヘリコプター

UH-60は陸海空の3自衛隊で運用されている多用途ヘリコプター。航空自衛隊では2008度時点で39機を取得。今まで空自では黄色と白のツートンで運用されてきた同機も現在ではごらんのように実戦を意識した低視認(ロービジ)塗装として洋上迷彩が施されています。

UH-60Jは米国の救難専用ヘリコプターHH-60Aの航空自衛隊仕様機です。大型ヘリV-107の後継として導入され、赤外線暗視装置、気象レーダーや精密な慣性航法装置を搭載しており、他のヘリコプターと比較すると、航続距離が長くなり遭難者の生存可能時間内に救助できる区域が広がり、ほぼ防空識別圏内をカバーできます。

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操縦席後部の側面に張り出した球面風防(バブルウインドウ)は、見張り員が捜索で使用します。ほか、機外燃料タンクの装備による捜索範囲の拡大等が主な特徴です。航空自衛隊ではUH-60Jを2008度時点で、39機取得しています。

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過去、航空自衛隊では黄色と白のツートンで運用されてきましたが、近年になり、実戦を意識し、低視認(ロービジ)塗装として洋上迷彩に変更されています。海上において敵航空機が上から同機を見ると海の模様に溶け込み、逆に地上の人間が下から見ると空の色に溶け込むという迷彩効果があります。

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さらに最近では、自衛用の5.56mm機関銃MINIMIをドアガンとして搭載するなど、本来の「コンバット・レスキュー」部隊への回帰を進めています。自衛隊が救助ヘリに機関銃をつける時代が来るとは思いませんでした。
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また、航空救難団ではCH-47輸送用大型ヘリコプターを配備しており、飛行場のない離島のレーダーサイト等への迅速な輸送に使われる一方で、救難事案発生時には救難活動にも従事します。

機首の気象レーダー。

 

救難員(メディック)について・・・陸上自衛隊の空挺レンジャー資格取得が必須

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救難員はUH-60Jヘリコプターに乗機し、航空救難活動に従事します。救急救命士などの資格を所持しており、救助した遭難者に応急救護を行います。救難員養成課程は、愛知県航空自衛隊小牧基地にある救難教育隊にて行われますが、精神的、肉体的にもハードな任務であることから、かなり厳しい選抜基準が設けられています。

まず、基礎的な体力基準として、腕立て伏せが46回以上、背筋が110kg以上、腹筋が45回以上、握力が50kg以上となっています。さらに、これらに加えて、陸上でも、50m走7.3秒以内、300m走62秒以内、1500m5分40秒以内の能力が必要です。これだけでは終わりません。

救難現場は陸のみならず、海上の場合もありますから、高い水泳能力を持つことも条件です。平泳ぎで100mを2分20秒以内、クロールで100mを2分以内、横潜水を25m以上などこちらも厳しい選抜基準が定められています。ただし、これらはあくまで肉体的な選抜基準の一部にしかすぎません。

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また、救難員は陸上自衛隊のレンジャー教育訓練を3か月間受けて、陸上自衛隊の空挺レンジャー資格も取得しなければならず、もはや超人以外の何モノでもない存在です。

ただ、体力の優越で落第することはまずないとのことです。

その代り、何が原因で落第するのか・・それは下記に紹介している航空自衛隊公式サイトをぜひ読んでみてください。

典拠元 航空自衛隊公式サイト
特集 航空救難団 ~JASDF AIR RESCUE WING~>That others may live 日本の救難活動における「最後の砦」
http://www.mod.go.jp/asdf/special/webmagazine/vol2/rescue/p03.html

 


記事の執筆者・著作権者 jieitaisaiyou.com


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