航空自衛隊の戦闘機パイロットが使うTACネームとは?コールサインとはどう違うの?



3自衛隊で運用されている航空機はそれぞれ機種固有の呼出符号、いわゆるコールサインを持っている。市販の広帯域受信機で航空無線を傍受すると、その運用がわかりやすく学習できるはずだ。

一方「TACネーム(Tactical Name)」は戦闘機パイロット自身が持つニックネームのことで、航空機の機種自体につけられた「コールサイン」とは異なる。

TACネームの運用は米軍をはじめ、各国の空軍で行われておりポピュラーだが、自衛隊では不思議なことに陸自と海自には存在せず、航空自衛隊でもTACネームがあるのはファイター(戦闘機)パイロットのみで、輸送機やヘリのパイロットは持っていない。


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航空自衛隊の公式サイトでのパイロット紹介や、航空雑誌を読むと良くわかるが、通常は戦闘機の機体の横やパイロットのヘルメットにTACネームが書かれている。

しかし、なぜ戦闘機のパイロットのみがTACネームを名乗るのだろうか。確定的な理由は不明だが、戦闘機の場合は一人乗りが大半で、また、機体同士で連携というよりは、やはりパイロット同士が連携して作戦を行う上で、関係を密にしてお互いを呼び合うために、このようなTACネームが必要なのだろう。

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また、同姓の隊員だった場合、姓で呼ぶと混乱するなど不都合が生じたり、冒頭で言及したとおり、航空自衛隊の無線と言えど、航空無線は誰でも傍受できるので、姓を公にしてしまうのも問題があるだろう。

そのような理由から、戦闘機が飛行中、地上の管制塔と無線交信する際はそれぞれの部隊や機種別のコールサイン(呼出符号)を使用するが、高度2万メートルでの戦闘訓練中の際はパイロット固有のTACネーム(tactical name)を使うというわけである。

TACネームは着任した部隊で先輩パイロットや教官から命名されるのが慣例

なお、航空自衛隊では慣例的にTACネームをつけてくれるのは先輩や教官になっている。これは愛知地方協力本部で以下のように言及されている。

航空自衛隊の戦闘機パイロットがもつ個人の愛称、ニックネームのことです。訓練や任務で戦闘機パイロット同士が講話する場合などは、このタックネームで呼び合います。着任した部隊で先輩パイロットから命名されるのが慣例のようです。

典拠元 https://www.mod.go.jp/pco/aichi/j_recruit_oshiete_pilot.html

なお、あまりにも奇を衒ったTACネームだと、基地司令など偉い人からダメ出しを受けることもあるという。

曲技操縦士であった故・ロック岩崎氏の「ロック」も空自時代のTACネームに由来している。

ちなみに航空自衛隊千歳基地の第二航空団を舞台にF-15イーグルのパイロットたちを描いた映画「ベストガイ」でも、TACネームには興味深い演出がある。

BEST GUY ベストガイ

主人公の梶谷を演じる織田祐二が「GOKU(ゴクウ)」というTACネームだったが、その理由は「第五航空団から来たのでゴクウ」という理由で教官の吉永三佐(ゾンビ/デモン)が付与したものだ。梶谷にタックネームが与えられた瞬間、それまで梶谷をよそ者かつ半端者扱いしていた2空のメンバーらが新たな仲間として笑顔で受け入れる演出が心ニクい。

なお、映画「ベストガイ」は2019年現在、Amazonプライム会員なら誰でもプライムビデオの特典で無料視聴できる。まだAmazonプライムに入会していない人は今すぐ入会して視聴しよう。


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