航空自衛隊の戦闘機による「民間人の体験搭乗(体験飛行)」が行われていることをご存知でしょうか。
これは「地上滑走」だけではなく、実際に飛行を伴う本物の体験飛行。搭乗する機体はF-15の複座型となっています。
どうやるんですか?航空祭でじゃんけん大会に勝ち抜くんですか?屈強な基地警備隊員50人衆を全員打ち破るんですか?いいえ。
では司令を懐柔するんですか?いいえ。勝ち抜きの景品でも不正な手段でもありません。
公表されている民間人の自衛隊戦闘機体験搭乗者
まずは「アパグループ代表」元谷外志雄氏。同氏は航空自衛隊のF-15戦闘機による体験搭乗をプレゼントされています。
参院外交防衛委員会で浜田靖一防衛相が明らかにしたところによれば、懸賞論文を主催した総合都市開発会社 「アパグループ」の元谷代表を小松基地(石川県)の F-15戦闘機に体験搭乗させていたとのこと。
では、その理由は。
元谷氏が選ばれた理由について、98年から約1年半、小松基地司令を務めた田母神俊雄・前航空幕僚長は元谷氏が98年から10年間、小松基地を支援する民間組織の会長を務めたことから「功績に感謝し、大勢の希望者から選んだ」と述べています。
自衛隊への協力が顕著に認められ、自衛隊がその功績に感謝し、体験搭乗をプレゼントしたということですね。
現在公表されているだけでも、小松基地における自衛隊部外者のF-15体験搭乗は平成18年度において6月に1回、同年8月に1回、同年12月に1回、計3回実施されており、また20年度においては4月に1回、7月に2回の計3回を実施しています。
一方、こちらは自衛隊が感謝した結果なのか不明ですが、航空幕僚監部広報室を舞台とした小説「空飛ぶ広報室」で著名な女流作家の有川浩氏もF-15に体験搭乗した民間人の一人です。
有川さんが体験したのは最大7.1G、最高速度マッハ0.93、最高高度22000フィート。飛行空域は山口県沖の『N空域』となっています。
有川さんは直接、航空幕僚監部広報室に「F-15に乗せてください!」と“取材”したのだそうです。したがって、これは自衛隊が感謝というより、取材に応えたものと言えなくもありません。
http://www.mod.go.jp/asdf/pr_report/soratobu/soratobu6.html
というわけで「自衛隊の戦闘機で民間人が体験飛行」は事実でした。低額納税者ではどう足掻いても体験できない貴重な体験と言えそうです。