自衛官の愛用腕時計と自衛官志願者が着用すべき時計とは?



勤務中の自衛官の腕もとに鈍く輝く時計

自衛隊員が勤務中つけている腕時計は隊員個人が自由に選んで購入した私物である。一般隊員に限って言えば、腕時計を官給品として支給はしていない。

ただ、諸外国の例では米軍がベトナム戦争時代、兵士へ官給品として安っぽいアナログ腕時計を支給していた例もある。

これはディスポーザブル、すなわち使い捨ての時計であった。BENRUS社、ハミルトンなど有名メーカーが製造を担ったが、文字盤にブランド名は入れられず、いかにも軍隊における官給品らしい佇まいだ。

米軍ではこのような官給時計は90年代までは存在したが、現在では少数精鋭のシールズなどを除けば自衛隊同様に一般兵員に時計は支給しないようだ。

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米海軍が誇る精鋭の特殊部隊Navy SEALsの隊員にかつて支給されていた官給品腕時計がまたすごい。なんと”ロレックス”だったのだ。

Navy SEALsはシー・エア・ランドの名が示す通り、水中浸透作戦のみならず、空挺侵攻まで行う陸海空を選ばないプロフェッショナル集団。

腕時計の世界では各国の精鋭部隊、いわゆる特殊部隊が使用することで話題になるメーカーやモデルも多いが、彼らNavy SEALsには部隊から官給品の腕時計として、高級機械式時計の代名詞的存在であるロレックス製のサブマリーナが支給されていた。

だが、狙撃手として有名な元Navy SEALsの故クリス・カイル氏の著書によれば、現在は納税者が叫んだためか、現場の隊員からの要望か、はたまた司令部の気まぐれか、詳細不明ながらも、その後はシール隊員への支給時計はカシオの黒いG-SHOCKになったそうだ。

一方、イギリス軍では腕時計が現在も多くの一般兵士に支給されている。しかも、我が国のセイコーのブランドであるパルサーなのだ。

もともとセイコーは80~90年代においてイギリス空・海軍へクロノグラフを納入していた実績があり、2000年代からはハミルトンのカーキのようないかにも軍用時計といったクオーツ式の「パルサーG10」が空軍を除く、イギリス軍にて支給されている。

またセイコーと言えば、ベトナム戦争当時の米兵からは日本の「セイコー5(ファイブ)」の人気が高かった。安くて壊れないセイコー5(ファイブ)は1960年代に発表されると瞬く間に人気時計となり、歴史的自動巻き腕時計の代名詞になった時計だ。現在でも製造されているが、国内より海外向けになっている。

さて、日本の自衛隊員と腕時計の話に戻そう。

冒頭で、一般の隊員には腕時計は支給されていないと書いたが、実は一部の特定職種の隊員に限っては支給される例もあった。

これは、あかぎひろゆき氏の著書『元自衛官しか知らない自衛隊装備の裏話』がソース元だが、 航空自衛隊と海上自衛隊ではパイロットに国産のクロノグラフを支給しているという。モデルは不明だが、市販品の裏蓋に管理番号とサクラマークを入れたものだったそうだ。そして、海上自衛隊のダイバーにはカシオ製の腕時計が支給されていたという。現在も続いているのかは不明だが、このように特定の隊員のみに腕時計が支給される例は実際にあったそうである。

ともかく、時間厳守の自衛隊という組織では調理など一部を除いて通常勤務中に腕時計をつけない隊員はいないのが実情。そして彼ら多くの自衛官はいったいどんな腕時計を付けているのだろうか。

まさか、演習で山を這う陸上自衛官なら、高級機械式クロノグラフは着けたくないのではないか。かといって、ホームセンターで吊り売りのデジタル時計や、100円ショップの腕時計などでは時刻の正確性や耐久性が不安だ。

小銃の発砲に海中や高高度での気圧差に・・自衛官の厳しい任務に耐えてくれる腕もとの相棒はどんなんよ?

実際のところ、勤務中の隊員はいったいどんな腕時計を付けているのか、実際に各隊員の腕もとを見たり、さまざまな広報資料に目を通す。そこで見えてきた答えとは。


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自衛官のほとんどが『CASIO G-SHOCK』のヘビーユーザーだった!


結論を言うと、自衛官から絶大なる信頼を得ている腕時計は日本のカシオが誇る壊れないデジタル時計、G-SHOCKだったのである。

G-SHOCKといえば、主に野外(field)でアクティブに活動するアウトドア派のための優れた時計としておなじみである。

とくに迷彩服を着用し、野外で任務に当たる普通科や施設科隊員にはタフさを誇るカシオのG-SHOCKが圧倒的人気のようだ。

薄型・角形の5600シリーズは米国映画『スピード』にてキアヌ・リーブス演じる主人公の警察特殊部隊員が着用していたため、一躍人気となり、通称・スピードモデルとも呼ばれているが、現在、同タイプの中でも電波時刻修正・太陽光発電タイプの「電波ソーラー仕様」が不動の人気となっている。

G-SHOCKのラインナップにはアメリカ国防省が制定したアメリカ軍が必要とするさまざまな物資の調達規格である「MILスペック」を満たしたモデルも。

実際の隊員を見ても、報道写真や広報誌MAMORを見ても、訓練ドキュメンタリーDVDを見ても、自衛官のG-SHOCK着用率は非常に高かったのである。

特に演習などでは各員の1分1秒の遅れが緻密に計画された作戦行動の根幹を揺るがしかねない。それらも考慮した場合、電波で時刻を自動修正するタイプのGショックも好まれるようだ。

小銃を発砲した際に手首にかかる強烈なショックは自衛官の腕時計選びを悩ませる。
やはり定評のある耐ショック・デジタル時計G-SHOCKが無難な選択なの
か。

耐久性、それでいて低価格のG-SHOCKは自衛官だけでなく、米軍兵士や米国警官の間でも定番。自衛隊、米軍、米警察などにおいて彼らの”相棒”として、第一線で活躍していることは間違いなさそうだ。

知恵袋で「カレシが自衛官なんですけど、腕時計のプレゼントでオススメはありますか?」なんて尋ねたら、まず間違いなく回答者の自称隊員や、ミリオタに薦められるであろう時計が、このGショック。

カレシが自衛官という女性は、ぜひともカッコいいのを一つプレゼントしたいところ。もちろん、彼女が自衛官というモテモテの男の子だって同じだ。

なお、次点で同社のプロトレック愛用者も多いようだ。

というわけで、高級腕時計をつけている自衛官というのは多数派ではないようである。

「自衛隊公式腕時計」とは

さて、ネット通販で見かけることの多い「自衛隊採用腕時計」なるものを皆さんはご存知であろうか。

場合によっては「防衛省本部契約商品」と表記されている場合もある。これらは自衛隊で隊員に公式に支給されている時計なのだろうか。

いいや、前述のとおり、自衛隊では隊員に腕時計を支給してはいない。どうやら言葉のマジックで、自衛隊の許可を得て自衛隊のマークを「採用」して「自衛隊をイメージしている腕時計」であり、隊員に任務上の必要性から支給されている「官品」ではない市販の商品だ。

製造しているのは国内のメーカーで、防衛省本部契約商品として駐屯地や基地の隊員から注文を受け付けているという。陸海空をそれぞれのカラーと公式マークでイメージしており、なかなか通好みのデザインだ。

ただ、ネット上の意見を見てみると 「使ってる隊員を見たことがない」とか 「(例えば会社員なら)自分で金を出して自社のロゴの入った腕時計は買わないと思う」 など、なかなか辛辣な意見が多い様子だ。

あくまで自衛隊ファン向けの自衛隊グッズと見たほうが良いのではないだろうか。皆さんも「自衛隊に入れば、あんなカッコいい時計が隊員に一律支給されるでゴワスか!!」とくれぐれも勘違いされないよう注意されたい。

自衛隊と腕時計のまとめ

「自衛隊員が日々、腕もとに着用している腕時計は?」という主旨だったが、現在の自衛隊では隊員に腕時計を支給していないのが実情で、多くの隊員は私物のG-SHOCKを使用しているという結論に至った。ただし、自衛官は全員G-SHOCKというわけでは、もちろんない。

セーラー服の腕もとに鈍く光るゴッツいG-SHOCKを想像すると、もう、なんか堪らない感じがする。

ただ、パイロットやダイバーなど特殊な隊員のみ、腕時計が支給される実例もあったことも判明した。

ちなみに自衛隊の中のお店(PX)でも、G-SHOCKがずらっと並んでいる場合が多い。売れるんだねぇ。

そもそも官給品の管理が厳しい自衛隊で腕時計を官給品として支給するならば、紛失や横流し防止はもとより、よほどまともな時計を支給しないと訓練のたびに壊れ、隊員泣かせになるのではないだろうか。ネイビーシールズのようにカシオが正式支給品となれば言うこと無しだろう。バックライト・ボタン押すと認識番号が浮かび上がる。おいおい。

余談だが、元隊員は「平時は1個でもいいが、国際貢献などで海外に行くのなら2個持つのが当然」と言う。

というわけで、隊員は任務に応じた機能を持つ腕時計を自分の好みで選んで着用できるが、隊員の時計の比率はどうしても耐久性や信頼性に勝るG-SHOCKが多いというわけだ。


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