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制服姿で行進する女性海上自衛官(WAVE)

自衛隊関連の雑誌などでワック、ウェーブ、ワッフなどといった名称を見たことがありますか。

これらの名称はそれぞれ、

「WAC=女性陸上自衛官」

「WAVE=女性海上自衛官」

「WAF=女性航空自衛官」

を表し、その意味は

「WAC=Women’s Army Corps」

「WAVE=Woman Accepted for VolunteerEmergency Service」

「WAF=Woman in the Air Fouce」

となります。3自衛隊各部隊の女性隊員の略語というわけです。元は米軍用語で自衛隊でもそのまま使用されているわけです。

アーミーと言えば、2002年に陸上自衛隊北部方面隊が、自部隊の公式サイト上にて自部隊の英語表記を「Northern Army(ノーザン・アーミー)」 としたところ、ある団体が「アーミーは陸軍だろ!憲法違反だ」として自衛隊に「削除要求」をしたことがあります。

典拠元
陸上自衛隊北部方面隊HPにARMYの表記・憲法違反と削除要求=連合札幌[021005]
http://mimizun.com/log/2ch/newsplus/1033794861/

しかし、同隊では「方面隊の英語表記はアーミーしかない。デザインの見た目も超格好良いし」として要求を拒否したそうです。

ところで、女性陸上自衛官が「うーまん・あーみー(こーぷす)」と呼称されることは某団体的にはいいんでしょうかね?

筆者は15年間、ずっと気になっていました。はい。

この「女性自衛官」という呼称自体も昔は「婦人自衛官」でした。女子の正規戦闘員がいることが、現在の自衛隊と旧日本軍の違いの一つでもあります。

女性自衛官の採用倍率と比率…実はとても狭き門

女性自衛官はバブル時代から男性に比べると非常に倍率が高く、当時で10倍以上、現在では20~30倍とかなりの狭き門になっています。

つまり、女性自衛官はかなり優秀な女性しか採っていないということ。

防衛省の広瀬律子服務管理官によると2014年度における自衛隊における女性の比率は現在5・5%に上昇しているとのことです。

安倍内閣では女性の活躍を成長戦略の中核に位置づけていることから、同内閣ではさらに女性自衛官が活躍できるものと見られています。

広瀬律子服務管理官

http://www.sankei.com/politics/news/140130/plt1401300010-n1.html

女性自衛官は広報、整備、衛生、パイロット、警務、飛行隊長、艦長まで幅広く活躍中。様々な職域も解禁され、将来的に海自特殊部隊員も!

女性自衛官は広報でも積極的に登用されており、自衛隊のイメージアップを図るために活躍しています。

この防衛省公式女性自衛官カレンダーもその広報戦略の一つ。

女子海上自衛官 2015カレンダー

防衛省が公式協力している「女性自衛官カレンダー」と「自衛隊の歌姫」こと海上自衛隊東京音楽隊所属の三宅由佳莉隊員。三宅隊員は23万人の自衛官の中で唯一のヴォーカリストで、ついにCDデビューまで果たしています。現職の女性自衛官が芸能活動を行うのは自衛隊史上でも極めて異例。

 

女性自衛官が多い職種

さて、自衛隊愛知地方協力本部様の公式サイトには陸上自衛隊で整備、経理補給、航空自衛隊では総務・会計、通信電子などといった職種において女性隊員の比率が高いとしていました。

一方、広報誌MAMORでは「衛生」に女性が多いとしています。

なお、陸自の普通科、いわゆる歩兵にも女性自衛官がいますが、精鋭のナンバー中隊には配属されておらず、後方職種にとどまっています。

また、なんとテレビ局のアナウンサーから自衛隊へ転職してしまった山下吏良さんもいます。

「女子アナの私が自衛隊に入った理由」として詳しく記述された「女子アナ・吏良の海上自衛隊メンタルヘルス奮闘記 」は必見かもしれません。

女性自衛官の普通科中隊、戦車中隊への配置制限をついに撤廃

 

第七師団の90式戦車

女性自衛官の職種がさらに広がる可能性。今度は普通科中隊や戦車中隊に。

2015年11月に防衛省が女性自衛官の戦闘機パイロット制限を撤廃し、さらに2016年3月には海上自衛隊特殊部隊、陸上自衛隊戦闘ヘリパイなどの制限も次々に解除したことが話題になっていますが、それに続く形で今回、普通科中隊や戦車中隊の女性配置制限も解除されました。

安倍政権下での女性自衛官の活躍がさらに加速しそうです。以下に記事を引用いたします。

 

防衛省は18日、女性自衛官に陸上自衛隊の普通科中隊、戦車中隊などへの配置を開放し、全自衛隊で配置制限を事実上撤廃すると発表した。

女性活躍推進に向けた取り組みの一環で、約6%にとどまる女性自衛官の比率倍増を目指す。

防衛省によると、全自衛官約23万人のうち、女性自衛官は約1万4000人。直接戦闘職域や肉体的負荷の大きい職域で配置を制限してきたが、機会均等の観点から段階的に門戸を広げ、昨年は陸自の対戦車ヘリコプター隊や海上自衛隊のミサイル艇などへの女性配置を解禁した。

今回の見直しで配置制限は、ほぼ撤廃される。ただ、海自の潜水艦隊員や陸自の特殊武器防護隊など3職域は、プライバシーや母性保護を理由に対象から外した。

引用元
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170418-00000024-jij-pol

上記の記事でも触れられていますが、現在すでに陸自ではコブラやアパッチといった戦闘・対戦車ヘリのパイロットに女性隊員を任用する制限を取りやめています。

空自でも女性自衛官の戦闘機パイロットの任用制限撤廃、海自では特殊部隊「特別警備隊」への女性自衛官の任用制限撤廃と、矢継ぎ早に施策を打ち出しています。

現在、女性自衛官の定員数は3部隊で約14,000人とされています。

女性自衛官の多くにはこれまで、特定の職域に制限がかけられており、本人が就きたくても防衛省が母性保護や「男女間のプライバシ-確保」という政策をとっているため、危険度の高い戦闘職種、つまり小銃を用いて直接前線で戦う「近接戦闘」などを行う陸自普通科中隊(ナンバー中隊)などには任用されていませんでした。

それでも93年以降は、政府が男女共同参画方針という政策を取り始め、女性自衛官を配置できる部隊が今日まで順次拡大されてきています。

米国防総省では2013年1月に女性兵士が地上戦の前線で戦闘任務に就くことを禁じる軍規の撤廃を発表していますが、『肉体的にも男性兵士と同じ能力を有する女性兵士をもはや除外する余裕は我が軍にアリマセン』とは、その当時のアメリカ軍のコメントです。

陸上自衛隊普通科の女性隊員

日本の自衛隊も同じ状況になっているのかは不明ですが、今後は3自衛隊で約14,000人いるとされる女性戦闘員である女性自衛官にも、男性隊員同様、危険で特別な任務が与えられてゆくことになりそうです。

一方で、ドイツやカナダ、フランス、オーストラリア、イスラエルといった各国の軍隊では女性兵士を女性だからという理由で配置制限する施策はとっていません(それでも潜水艦だけはやはりまだ制限が多いようです)。

ナショナルジオグラフィックの報告では現在、この惑星では10か国余りの軍隊で女性兵士が白兵戦に就くことに制限を課していないとしています。

ドイツでは2001年に女性兵士の戦闘部隊への配属を許可して以降、女性の入隊者が大幅に増加していますが、フランスでは女性兵士の戦闘歩兵隊への配属も許可されているものの、大半の女性兵士は希望しなかったそうです。

典拠元

http://natgeo.nikkeibp.co.jp/nng/article/news/14/7460/?ST=m_news

ただ、女性の配置制限はほぼ撤廃としながらも、海自の潜水艦乗組員や陸自の特殊武器防護隊は除外されています。さらに引き続き、精鋭である第一空挺団や陸自随一の特殊部隊である特殊作戦群などに女性隊員が配置されるという報道は今回も見られません。

空自の新型輸送機C-2にトイレが複数設けられたのは今後増えるであろう女性パイロットや女性機上整備員への配慮というわけでもないのでしょうが、いずれにせよ、今後さらに女性自衛官の持つ優れた空間認識能力や、女性の持つきめ細かな仕事などが自衛隊の最前線で試され、更なる活躍が期待されているようです。

普通科中隊に全国初の女性自衛官(御殿場・陸自滝ケ原駐屯地)

写真の引用元 読売新聞社公式サイト http://www.yomiuri.co.jp/national/20170624-OYT1T50096.html

普通科中隊に初の女性隊員 御殿場・陸自滝ケ原駐屯地

先日、防衛省が発表した女性陸上自衛官の普通科中隊配属解禁のニュースですが6月19日、ついに女性で全国初となる普通科中隊員が誕生しました。

今回、陸自滝ケ原駐屯地の普通科教導連隊・第2中隊に新規配属が決定したのは森川友紀子陸士長(25)。

森川さんは防衛省が4月、女性自衛官の「活躍推進イニシアチブ」を策定し、これまで任用がされてこなかった職域にも女性が起用されるようになると、配置転換を志願し、見事普通科中隊に任用が決定したとのこと。

森川陸士長は、「しばらくは(勉強することが多いので)恋愛をしません」と語っています。

自衛隊では今後さらに女性隊員の職域拡充が行われることが決定されており、すでに次は航空自衛隊では戦闘機のパイロット、海上自衛隊では特殊部隊への任用が解禁されています。

しかし、陸上自衛隊特殊部隊(特殊作戦群)における女性自衛官の任用解禁はいまだ発表されていません。


記事の執筆者・著作権者 jieitaisaiyou.com


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