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野生動物と自衛隊のおはなし・・自衛隊がヒグマを撃ったってホント!?

陸上自衛隊北部方面隊で起きた興味深い話を一つご紹介したいと思います。

2016年の5月から6月にかけ、秋田県内でツキノワグマによる被害が連続で起きており、同一とみられるツキノワグマに加害された4名の方が命を落とすなど深刻な事態となっています。

一方、北海道ではツキノワグマよりも大型で凶暴な羆(ヒグマ)が生息しており、こちらもときに農作物、さらには人への被害が深刻な問題となっています。

そう、問題はこのヒグマ。

北海道内では古くアイヌ時代から現代にいたるまで、羆(ヒグマ)による被害は毎年後を絶たず、現代も山菜取りなどで襲われて命を落とす人も多くいます。

とくに開拓期、集落で暮らしていた人々が次々に襲われた「石狩沼田幌新事件」は羆(ヒグマ)による事件としては犠牲者数が最悪となっています。

近代でも、1970年には日高山脈の芽室岳で福岡大学ワンダーフォーゲル部員が羆(ヒグマ)によって命を落とす事故が発生しています。

そのために、北海道では高齢者から女子高生まで羆(ヒグマ)の恐ろしさを知らぬ者はいないとされています。いつもセーラー服に爆竹を。

現在、有害獣の駆除には猟友会のハンターが主にあたっており、自衛隊がヒグマの駆除に出動するということはありません。

ただ、過去には自衛隊がヒグマを射止めたという史実があるそうです。詳しく迫ってみましょう。


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陸上自衛隊北部方面隊員、小銃でヒグマを射止める

なんと、陸上自衛隊北部方面隊では昭和46年5月に芽室町の剣山東南山腹(頂上から 400m)で遭難したヘリ(北部方面航空隊機)を捜索支援中の第5特科連隊第6大隊の隊員が、やにわに現れた体重120キロのヒグマを小銃で射止めたという史実があります。

この情報につきましては、元・陸上自衛隊陸将の山下輝男氏の独自取材「朔東から第 25 号 羆(ヒグマ)を撃った男」を参考文献とさせていただきました。

典拠元・山下輝男氏公式サイト「朔東から第 25 号 羆(ヒグマ)を撃った男」
※PDFファイル http://yamashita2.webcrow.jp/sakutou025.pdf

救難活動中の自衛隊員が実弾及び小銃を携行していた理由は、やはりヒグマの生息地での捜索救助活動であったためと推測されます。

なお、この射止められた羆ですが、はく製にされて陸上自衛隊美幌駐屯地に展示保存されているそうです。その説明文には

「昭和46年、芽室町剣山東南山腹にて遭難ヘリの乗員を捜索中の隊員が遭遇し襲いかかろうとしたため、隊員が身の危険を感じて所持していた自動小銃で”射止めた”」

引用元 http://yamashita2.webcrow.jp/sakutou025.pdf

と記されています。

なんとも驚きの史実ですが、現代ではたとえ災害派遣で北海道内の山中に捜索で入山する自衛隊員であっても、ヒグマ対策として89式小銃レミントンのM24SWS対人狙撃銃を持つことは100%無いのではないかと思います。

というのも、ヒグマの駆除には狩猟免許が必要です。

ですから、猟銃を持った民間人の本職のハンターを同行させるなどの措置が取られているものと思われます。

一般論で言えば、ヒグマは害獣であり、その処分には役場や北海道庁の要請に基づいて狩猟免許を受けたハンターが臨むことになりますが、自衛隊員が実弾を装てんした自動小銃を携行し、行方不明者の捜索活動に当たるという点も興味深い史実です。

また、北海道では演習場での演習中にヒグマと出会うことも多くあり、その際は状況中止となり、ヒグマが去るのを待ってから状況再興となります。

ほかにも自衛隊は北海道でヒグマから住民を守るための「護衛送迎」を実施したこともあります。

なお、昭和37年(1962年)の秋には、十勝岳噴火の降灰によって木の実等の成りが悪く、人里に多くのヒグマが現れたため、自衛隊員が自動小銃を携行の上で、ヒグマから住民を守るための「護衛送迎」を実施したこともあります。

情報を引用させていただいたサイト 『NPO法人 南知床・ヒグマ情報センター』
http://shiretoko-higuma.com/gaiyou/index.html

野生動物と自衛隊のまとめ

意外と知られていませんが、自衛隊と野生動物をめぐるお話としてこれらのような史実があったわけです。

なお、近年では北海道と陸上自衛隊北部方面総監部がエゾシカの有害駆除に関する支援協定を締結しており、道内でエゾシカ被害対策に自衛隊が活用されています。

この例では自衛隊のヘリで上空からエゾシカの位置を監視したり、追い込んだりなどして、民間のハンターと連携し、ハンターが猟銃で駆除を行うというもので、自衛隊が直接駆除することはありません。

ただ、過去には漁場を荒らすトドの駆除のため、対空機関砲の水平射撃や榴弾砲を沖合に発射してトドを駆除したという例もあり、野生動物の駆除に「自衛隊の実弾」が使われることは、過去においては普通だったのかもしれませんね。

というわけで・・

shinjirarenaigahontoudayon


記事の執筆者・著作権者 jieitaisaiyou.com


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