自衛官の定年は早い?再就職先は!

自衛官には任期制と非任期制の二種があり、陸海空の任期制自衛官の場合、陸上自衛官が1年9ヶ月(技術系を除く)、海上・航空自衛官は2年9ヶ月を1任期(2期目以降は2年)として勤務し、任期満了で除隊となります。

任期満了で退職予定の任期制隊員には、地方協力本部で就職援護という手厚い再就職支援が行われるほか、任期満了したならば、任期満了金が出ます。

任期中、自衛官を一生の仕事にしたいと決めた任期制隊員は曹を目指し勉強に励み、選抜試験に臨みます。つまり、ずっと自衛隊で勤務をしたければ、最低でも曹に昇進することが最低条件。曹はいわば自衛官の「正社員」です。

任期制自衛官は資格が取り放題なの?

自衛隊でとれる資格は自分の職種で必要不可欠なものが優先され、73式小型トラックを運転するために必要な普通免許、さらに必要に応じてけん引免許、大型免許などが取得できます。

陸上自衛隊では自動二輪車(オートバイ)を任務で運用する機甲科の偵察隊員や、白バイに乗務する警務隊員では自動二輪の免許も取得できます。※海自と空自の各部隊に自動二輪車は配備されていません。

自衛隊の中で自動車の免許を取るには、自衛隊自動車訓練所という自衛隊の中の自動車教習所に入校するのですが、民間よりとっても厳しいのです。この教習所には警察官や消防吏員が入校する場合もあります。

その他にも自衛官には職種に応じて、多様な資格が必要ですから、業務に関係する資格は公費で取得できます。

自衛隊の中で調理を行う隊員は調理師や栄養士の資格取得を部隊で推奨している場合もあります。

もちろん自費であれば、アマチュア無線の資格を取ろうが、行政書士の資格を取ろうが自由です。

除隊後の再就職のために行う就職補導では資格が取れる

任期満了前の任期制隊員には退職直前に就職援護の観点から、資格を取らせてくれる就職補導教育があります。

入隊3年目以降は技能教育もあります。

なるほど、自衛隊ではこの2段階で資格を取得することが可能なんだね。

自衛隊って資格を取得する機会がいろいろ設けられていてうらやましいね!

しかし、現在は自衛隊の恵まれた環境が人気で、民間への転職をしたがらない隊員が多く、また曹への昇任試験も倍率が高いため、部隊によっては曹への任用希望者がなかなか合格できない状況です。しかも、曹になったとしても60歳まで勤務できるのかと言えば、必ずしもそうではありません。

その理由は、自衛隊が導入している若年定年制のせいなのです。

官公庁では自衛隊のみが採用する「若年定年制」その理由は?

一般的な官庁や警察官などの公務員では、60歳定年制になっています。しかし、自衛官の定年齢はこれらに比べると非常に早くなっています。具体的に自衛官の階級による定年年齢を見てみると、将/将補が60歳、1佐が56歳、2佐および3佐が55歳、1尉および曹長が54歳、2曹および3曹が53歳となっています。

将官についても、実際には60歳前までに勇退することが慣例となっており、60歳の将官はいません。

また、職種による定年の違いもあり、音楽隊や医官、薬剤官、警務隊、情報総合分析、 画像処理・通信情報の職務にかかる自衛官の定年齢は60歳となっています。

このように、自衛官はその任務の特殊性から体力と健康が求められていますから、精強さを維持するため定年が早くなっています。組織の精強さを保つため必要な制度なんですね。

自衛官にうれしい再就職援護制度。再就職先は警備会社、武器屋、役所等さまざま

このように、過酷な任務を遂行するため現役時代に多種多様なスキルとキャリアを積んだ自衛官の多くは、 仕事の特性上、若くして退職せざるを得ない運命にあります。

そんな隊員たちを防衛省が、日本中に蔓延する『アットホームな職場です!』みたいなブラック企業のように、ただ使い捨てにするはずがありません!省を上げて、あるいはOBによる関連団体が再就職の面倒を見てあげる……それが以下の制度や取り組みです。

再任用制度

この制度は定年後においても引き続き隊員として働く意欲と能力のある者をあらためて採用する制度です。

一般財団法人自衛隊援護協会

OBなどが経営する企業による民間団体です。国の許可を得た非営利法人であり、自衛官の再就職斡旋ならまかしとけ……という団体です。防衛省・自衛隊と協力して厚生労働省および、国土交通省の認可を受け無料職業紹介事業を運営しています。http://www.engokyokai.jp/index.php

というわけで、自衛官には任期制隊員と非任期制隊員の2種類があり、また定年制が早い彼らには自衛隊と協力団体から手厚い再就職斡旋が行われているというわけ。

では次に元自衛官は具体的に、どのような職種や企業などに再就職ができるのか見てまいりましょう。

隊員の再就職については隊員の職種や経験、取得資格などでさまざまとなっているのが実情ですが、除隊した元任期制自衛官は警備大手のセコムに入社することが多いそうです。

※典拠元 http://www.cs.kyoto-wu.ac.jp/bulletin/12/nisio.pdf

一方、基地司令まで登りつめた幹部自衛官であれば、大手の「積水ハウス」の顧問、ほかには私立大学の教務などなど多様。「スカイネットアジア航空株式会社」の運航本部にも元・自衛隊幹部が。公的機関の上級職としては「神奈川県安全防災局危機管理部」に元・陸上自衛隊研究本部総合研究部隊員がいます。

このように、さまざまな分野で元自衛官が活躍しています。

また、自衛隊のパイロットはやはり、民間あるいは公的機関などから引く手あまたのようです。北海道滝川市にある「滝川スカイパーク」を運営する滝川スカイスポーツ振興協会の常務理事で操縦の教官であり、ロバンを華麗に操っていた故・池田亨氏も北部方面航空隊第一対戦車ヘリコプター隊の隊長という経歴を持ち、対戦車ヘリ「コブラ」の凄腕パイロットでした。

滝川市教育委員会スカイスポーツ振興課では熱心に同氏を勧誘、獲得し 「飛行隊長を引き抜くとは滝川市の度胸もたいしたもの」と言われたほどです。やはり元自衛隊パイロットは重宝されるようです。

典拠元 http://www.kotoni.net/kadowaki/kado/jr/takikawa/jr3-takikawa.htm

このように、とくに優秀な隊員は引き抜きもあるということですね。また、三菱重工のテストパイロットや、各都道府県警察や防災航空隊のヘリパイにも元自衛官が多数。

一方、F-15戦闘機の整備員だった元隊員も今度は 民間人として戦闘機メーカーで整備をやるという道もあるそう。

※典拠 航空自衛隊公式サイト
http://www.mod.go.jp/asdf/recruit/taishoku_jieikan/saishuushoku_model/

また、自衛隊ヘリの製造販売を手がける川崎重工にも多数の再就職隊員がいます。

陸上自衛隊ヘリコプターの官製談合疑惑で、問題となった次期多用途ヘリを受注した川崎重工業(神戸市)に、過去6年間に少なくとも自衛官ら33人が再就職していたことが防衛省が公表した資料で分かっています。

引用元
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2012090800058

なるほど。やっぱり自衛隊員といえば、兵器メーカーへの再就職が多いようですね。

また、竹本三保氏は女性海上自衛官から教育機関へ転進されています。

余談ですが、逆にテレビ局のキャスターから自衛隊幹部に転進した女性もいます。

一方で「元自衛隊員だからといって再就職で優遇されることはあまりない」 と自衛隊広報誌「MAMOR」でハッキリおっしゃるのは、リクナビNEXT編集長の黒田氏。

なんにせよ、自衛官であれ民間人であれ、再就職を成功させるには、決してコネなどではなく、本人の地道な努力ということですね。

JMASで国際貢献する元隊員も!

一方、こちらは再就職というより、再活躍かもしれません。

元自中心の地雷処理NGOで「JMAS」という団体がありますが、同団体は兵器の知識を持つ元自が海外で地雷処理の活動を行って社会貢献をしています。

このような危険な仕事も、経験と知識を蓄えてきた元自でなければ遂行できないものと言えるでしょう。

まとめ

そうかあ、自衛官はこれらのところに再就職や転職して人生の再スタートを切っているのかあ。決してオメガに入って日本の国益優先で出撃してしまう元自衛官だけではないんですね。安心しましたよ小松さん。いいよな。道路で棒振ってさ。小松、そんな稼ぎじゃ綺麗な女性のいる店に行けないぞ…。

さて、どうでしたか、皆さん。

それにしても自衛官の再就職先って滝川市教育委員会のパイロットから武器メーカーから学校の先生、NGOまでいろいろあるんだね!