これが自衛隊漫画の世界!

レイド・オン・トーキョー

RAID ON TOKYO レイド・オン・トーキョー後編

レイド・オン・トーキョー

小林源文氏によるソ連軍の日本侵攻ものマンガ。シミュレーション的色合いが強い、男臭くて硬派な作品だが、本作でもシュール過ぎる”源文ギャグ”が所々に散りばめられている。突然の有事に小説家兼(!?)会計科の気弱な幹部自衛官、佐藤大輔2尉は急遽、普通科部隊の指揮官となる。義務を放棄し、逃げ出す若手隊員、それを後ろから撃つ指揮官。佐藤もまた、狂気に豹変してゆく。

前作『バトルオーバー北海道』ではソ連軍の北海道侵攻をシミュレートしたが、今回は本州、そして東京進攻である。

一部で定評のある89式自動小銃のハンドガードを半分に切り詰め、銃身を短くした架空のコンパクト・カービン「源文カービン」が出てくるのがレイド。銃身はM4カービンと同等または短いため、大型のフラッシュハイダーに換装し、強烈なマズルフラッシュを抑制している、という設定だよ。

普通の自衛隊員であった佐藤3佐がおかしくなった原因と、まだまともな扱いだったころの中村3曹が見たいなら本作はオススメだ。

ファントム無頼

ファントム無頼 全7巻完結(文庫版)(小学館文庫) [マーケットプレイス コミックセット]

ファントム無頼

先に紹介した『右向け左!』の原作者で元自衛隊員の史村翔が原作をつとめ『エリア88』などで知られる戦場マンガの鬼才・新谷かおるが作画を担当と、こちらも黄金コンビによる自衛隊作品だ。航空自衛隊百里基地に所属するF-4EJファントム戦闘機”680号”の操縦士・神田と、同じく航法士である栗原の『神栗コンビ』の活躍を描く。

新谷かおるARTWORKS

荒っぽいが肝のすわった神田鉄雄二等空尉、三沢から百里へ転属してきた甘いマスクで冷静沈着頭脳明晰の栗原宏美二等空尉が、男性のみならず女性ファンをも魅了させたという。どっちがウケ?言わすな恥ずかしい。そんなわけもあってか、劇画調のタッチが回を追うごとに丸くなる。

彼らの対応する任務は『紅の翼』のごとき離島への血液緊急搬送からハイジャック対応、操縦不能に陥った747型旅客機の救助、森林火災消火、地震により発生した津波から避難する住民の妨げとなる岩山の爆撃、北海道の国道に緊急着陸して火山の噴火とヒグマから子供の保護まで、実に幅広い。ひ、広すぎる。これらの任務を愛機F-4EJファントム680号(コールサインは新撰組)に乗り、僚機や在日米軍とも協力して大空を駆る神栗コンビ。痛快だ。

そう、彼らの本分は戦うための戦闘機乗りであり、戦闘機とは本来、人の命を奪う兵器である。しかし、そうでありながらも、彼らは兵器たる戦闘機を以ってして、己の命を懸けて他人の命を救うのだ。そんな神田2尉が公言してはばからないのが『抜かずの剣こそ平和の誇り』という己の信条である。

空のトラブルで困ったら、何でも解決いたします~♪陸のトラブルも戦闘機で~♪御用命は国際緊急周波数(ガードチャンネル)で~♪日本全国駆けつけます~百里国際救助隊♪みたいなところが海外ドラマのエアウルフみたい。

ある意味「レスキューウイングス」よりも「ファントム無頼」のほうが人命救助の数では優ってるんじゃないの?

というわけで、本作は実際の航空自衛隊の業務をリアルに描くというより、娯楽性重視の痛快作となっている。荒唐無稽の面白さにはまること間違いなし。

なお、この作品で筆者が一番印象深く心に残っているセリフは、ある女性がパイロットに対して放った「私は興味ないわよ。あんな虫みたいな格好した人たち……」ですね。確かに酸素マスクをつけて、ヘルメットの黒いバイザーをおろしたパイロットの風貌はハエみたいです……。

ライジングサン

ライジングサンR : 6 (アクションコミックス)

ライジングサン

自衛隊広報誌MAMORでも紹介されている作品。シャチョさんのために働くより国民への命がけの奉仕者である自衛官という職業を選んだ主人公の生きざま。

自衛隊広報誌「MAMOR」と、かつての防衛庁外郭団体発行の広報誌「セキュリタリアン」との違いは

脱柵やイジメの報復で銃を……などなど、自衛隊モノとしてツボを押さえている。

なぜ、男女の新隊員が同じ生活隊舎で寝起きして前期教育を受けているかは禁則事項だそうです。

次のページでは”女性自衛官”ものマンガを掘り下げてご紹介したい。


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