防衛事務官/技官

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僕たちは戦えない・・22000人の戦えない自衛隊員たち

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非戦闘員の自衛隊員とは?


自衛隊という組織の中には自衛官だけではなく、事務官技官、教官といった階級を持たない非戦闘員の自衛隊員が約二万二千人います。これらの隊員は全国の自衛隊基地や駐屯地、施設、そして防衛省本省で事務的、技術的なサービス、あるいは語学などの教育専門家として自衛官と共に任務に就いています。自衛隊法上、防衛省の事務や技術職員も自衛官と同じく「自衛隊員」に含まれ特別職国家公務員の待遇を受けます。

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しかし、これらの隊員は国際法上、非戦闘員の文民とされ、戦闘任務に就くことができないため、戦闘訓練や階級もありません。

国際人道法の原則の中には、「戦闘員と文民(一般市民)の区別」というものがあります。戦闘員と文民を分けて、戦闘に直接参加していない文民は法によって保護されなければならないため、この原則は大変重要になってきます。国際人道法上、武力紛争下にいる人々は、攻撃の際に正当な標的とみなされる人と、攻撃から保護されるべき人に分けられます。前者には、紛争当事者に帰属する組織された戦闘員が入り、後者には文民、戦闘能力を失った非戦闘員等が入ります。

引用元
赤十字国際委員会公式サイト
http://jp.icrc.org/dphinterpretationguideline/

赤十字などは非戦闘員と文民について上記のように解釈しています。

これら制服自衛官以外で自衛隊に勤務する事務官などの隊員を一般に防衛省職員と呼び、自衛官が制服であるのに対して「背広組」と呼ばれることもあります。防衛大学校学生や高等工科学校の生徒も実は自衛官ではなく、身分は防衛省職員です。

しかし、こちらは将来の曹、幹部自衛官になるために訓練を受けているので戦闘訓練があり、卒業後は正式な自衛官となります。事務官などの普段の業務は内部部局、情報本部、全国の自衛隊各駐屯地、基地、地方防衛局における防衛行政の事務です。技官は技術研究本部などで武器や装備の開発と調達事務にかかわります。

情報本部は自衛隊諜報官の根城であり、バリバリのエリート自衛官から事務官まで働いています。地方防衛局は地方で防衛行政を執行する防衛省の出先機関です。技官が活躍する技術研究本部は自衛隊の次世代装備の開発実験を行っている防衛省の部署です。

MAMORによれば、先の東日本大震災で海上自衛隊の捜索犬部隊の一員として事務官も派遣されていたことが報じられていました。また、自衛隊駐屯地や基地以外の自衛隊施設で、制服を着て守衛として警備を行うこともあります。

階級を持つ自衛官と持たない事務官の違い

日本政府の公式見解では、自衛隊員の中で自衛官は唯一、文民ではありません。すなわち、自衛官は国際法上での正式な戦闘員として扱われ、国際的には各国の正式な正規軍の兵士と変わらない立場にあります。しかし、自衛官の中にも医療や看護など衛生に関する職種に就く自衛官は非戦闘員とされているのが、国際法上での一般的な見解です。自衛隊へ志願される方で、自衛隊の中に自分の求める仕事を選ぶとき、これらの違いを理解しておきましょう。

自衛官に比べ複雑な防衛省職員採用区分および試験

 

防衛省の公式ホームページには下記のように説明があります。

平成24年度から防衛省職員の採用方法が変わり、人事院が行う「国家公務員採用試験」及び防衛省が行う「防衛省専門職試験」の合格者から採用を行います。

国家公務員採用総合職試験(院卒者試験、大卒程度試験)
国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験、高卒者試験)
防衛省専門職員採用試験「語学職、国際関係職」

引用元 http://www.mod.go.jp/j/kids/recruit/secretary.html

事務官の採用試験は、上記にて引用したとおり複数あり、国家公務員採用総合職試験(院卒者試験、大卒程度試験)国家公務員採用一般職試験(大卒程度試験、高卒者試験)防衛省専門職員採用試験「語学職、国際関係職」の三つになっています。総合職はいわゆるキャリアで、将来のリーダーを目指す区分。一般が現場の現業職など。

試験のレベルはII種、III種はそれぞれ大卒(短大含む)、高卒を対象としていますので、中学校卒業と同等の学力を想定している「自衛官候補生(いわゆる、かつての任期制自衛官)」よりは明らかに難関です。

事務官や専門職員は自衛官に比べると募集人数も少なく、やはり狭き門になりますが、防衛省本省や全国の自衛隊の基地や駐屯地で自衛官と共に勤務できるため、やりがいのある仕事と言えるでしょう。

専門職は英語や朝鮮語の教官などを採用する制度で、朝鮮半島の情報分析をも任務としていますから「戦えない自衛隊員」といっても、最前線での活躍が待っているかもしれません。



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