自衛官の認識番号と認識票

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諸外国軍の兵士同様、自衛隊員には個人識別用の認識番号が与えられています。

自衛隊員(自衛官及び防衛省職員)には一人ひとりに認識番号が与えられます。

その目的は隊員が公務中に不慮の事故、災害等にみまわれた際に隊員を識別するためです。

諸外国同様に有事の際に隊員が戦死した場合の身元確認は当然のことですが、平時でも航空機事故の際の遺体の識別にも利用されます。

陸上自衛官の場合、頭にG(Ground Self-Defense Force)、海上自衛官の場合はM(Maritime Self-Defense Force)、航空自衛官の場合はA(Air Self-Defense Force)が付いた認識番号を割り振られています。

この認識番号は退官しても防衛省の記録に予備自衛官として任用されない60歳まで残ります。自衛官以外の自衛隊員(事務官など)にも付与されますが、武器を持たないシビリアンなので頭にCが付きます。

そして自衛隊員にそれぞれ与えられるこの認識番号は一字の間違いなくステンレス製の認識票に刻み込まれており、任務中の自衛官は首からかけています。

 

 

ミリタリー仕様ステンレスドッグタグ 2枚組みサイレンサーつき

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自衛隊の認識票についてさらに詳しく

自衛隊の認識票は厚さ0.5ミリ、5センチ程度の大きさになっています。

また、米軍のものと形状はほぼ同じ二枚組の「複式」ですが、材質は米軍がアルミニウム、自衛隊はステンレススチールとなっており、頑丈ですが少々重いようです。

なお、陸上自衛隊の認識票にはサイレンサーが装備されています。

サイレンサーといえば仰々しいのですが、全体をビニールで覆って、二枚の認識票が重なり合ってもチャリチャリと金属音をさせないように工夫されています。

 

自衛隊の認識票を自衛官が付ける場合とは

陸海空自衛隊それぞれの自衛官に部隊から支給された認識票は隊員が任務中に首からぶら下げています。

航空自衛隊の「認識票に関する達」の第5条において、認識票は、次のいずれかに該当する場合に着用しなければならないと定められています。

(1) 自衛隊法(昭和29年法律第165号)第6章の規定に基づき行動する場合

(2) 航空機に搭乗する場合

(3) 外国において行う国際貢献に関する業務に従事する場合

(4) 訓練又は演習に参加する場合

(5) 部隊等の長が特に必要と認める場合

以上の様に細かく定められています。

また、達によれば『認識票は自衛官に交付する』と定められており、事務官技官へ公布されるという文言はありません。

なお、勤務時間外まで着ける必要はないので、公務外、とくにデート中は普通に外してます。ベッドの上でチャリチャリうるさいと、集中できませんからね。

 

諸外国軍の認識票について

さて、自衛官が首にかけている認識番号が刻み込まれたこの「認識票」ですが、アメリカ兵の首からぶら下がっていることでもおなじみですよね。

英語圏ではドックタグ(犬の鑑札)と呼ばれます。

二枚組みの小さな金属プレートを首から下げる兵士を映画などで見たことがある方はきっと多いと思います。

これには兵士の氏名や血液型、所属などが書かれており、やはり兵士が戦死した際の身元確認のために使用されます。

アメリカ軍においては通常、首から下げるほか、爆風による飛散を防ぐため、コンバット・ブーツの編上げの中に入れます。

アメリカ国内においては、内戦時代から兵士が自分の身元を明かすため、紙や木片などに名前を書いて身に着けていました。それは軍としては非公式でしたが、兵士の士気向上に役立つとして軍もその有用性を認め、正式に支給をして着用を義務化しました。

このようにして生まれた認識票制度は現在もアメリカ軍をはじめとして各国で続けられています。

旧日本軍でも認識票が兵士に支給されていました。旧軍では小判型のようなタイプで所属部隊と認識番号が刻印されていました。

米軍のドックタグにつけられた切り欠きの”神話”と”真実”のおはなし

さて、なぜドッグタグ(認識票)は二枚組みなのかと言いますと、一枚は戦死した者の口にくわえさせてから土に埋め、位置を記録。もう一枚は持ち帰って部隊長に報告するためです。

かつての米軍のドックタグには、縁(ふち)の一か所に切り取ったような箇所があり俗に「切り欠き」と呼ばれていました。
「切り欠き」が設けられた理由は、戦死して死後硬直した兵士の口を手で開けたうえで、ドッグタグの切り欠きを歯に挟み込んで開き、”死後硬直を利用して”ガッチリ上下の歯で咥えさせて固定し、土の中に埋葬、ドッグタグは複式になっているのでもう一枚は部隊に持ち帰って「戦死の証拠」として部隊長の確認を受け、兵士の遺族のもとへ届けられる・・・という運用方法があったからとされています。

しかしながら、この「切り欠き」、アメリカ軍では1968年ごろ以降にはすでに廃止され、現在支給される現行型ドッグタグにはありません。

実を言うと、この「切り欠き」については諸説あるようで、在日アメリカ海兵隊のホームページで2006年2月10日金曜日に発表された情報によると面白いことが紹介されております。

それによれば、「ドックタグの切り欠きの理由は、打刻機に固定させるための固定ガイドが”真実”であり、死者の歯をこじ開けるのは”神話”だった」と記されています。

これは五大湖軍事史博物館教育収集所長のインタビューです。なお、所長はこの”神話”の調査の過程でドックタグのボールチェーンの玉の数は365個で一年を表しているという新たな”神話”の発見もされたそうです。信じられないが本当だ。本当に・・!?

さて、この「ドッグタッグ咥え」ですが、筆者が以前見た映画「84チャーリーモピック」というベトナム戦争ものでも登場していました。ドックタッグを咥えさせているというよりは、戦死した兵士の口の中に普通に入れて、その上からODのガムテープで口をふさぐというものでした。

現在、アメリカ軍ではドッグタグの中にICチップを埋め込んでしまうという試みを行っているようです。

いわば、”スマートタグ”とでも言うべきものでしょうか。負傷した兵士の野戦病院への即時の無線リンクは、後続の治療をスムースに行わせるとのことです。

なお、アメリカ軍のものには本人の宗派(キリスト教徒や仏教徒など)も明記されており、中々親切と言わざるを得ません・・・。

自衛隊のドッグタッグに切り欠きはあるの?

では、わが日本国自衛隊のドッグタグを見てみましょう。

なんと、やはり切り欠きがあります。

しかも、前述した航空自衛隊が公式ホームページで公表している「達」という公的文書にもしっかりと「切り欠き」についての記述があり、その目的を「死者の歯をこじあける場合に使用する」と説明しています。

自衛隊認識票にもこの「切り欠き」があるのがなんとも切ないですよね。

このドックタグ(認識票)の切り欠きを俗説とするか、本来の仕様とするか・・・それはあなた次第。ただし、自衛隊では死者の口をこじ開けることに使うと明確に説明されています。

 

民間人が自衛隊の認識票を付ける場合があるってホント?

実は民間人もこの自衛隊の認識票を付ける場合があるのです。

体験入隊や体験飛行などで自衛隊の航空機に乗る際には、この認識票が隊員より渡され首にかけます。

万が一の墜落時、遺体の身元を確認するための手段です。びっくり?

また勉強になったね!無断転載はしないでくださいね。

参考文献
http://www.clearing.mod.go.jp/kunrei_data/g_fd/1963/gy19630904_00048_000.pdf
http://www.kanji.okinawa.usmc.mil/News/060210-tags.html

 



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